2021年 児童養護施設退所者への支援について

事業報告

2021年10月末日時点「進学支援」のご報告

昨年に引き続き、2021年も新型コロナウイルスに翻弄された1年となりました。しかし、「困っている学生さんのために」と、たくさんの方々がご支援をお寄せくださり、2021年10月末時点で、児童養護施設等の社会的養護の施設から四年制大学に進学した新入生41名と、進級できた学生104名に総額1388万円の支援金を届けることができました。金額の内訳は下表をご参照ください。

学年人数支援金追加支援金金額計
新入生41\50,000\30,000\3,280,000
2年生36\50,000\30,000\2,880,000
3年生30\100,000\30,000\3,900,000
4年生29\60,000\30,000\2,520,000
4年生コロナ対応枠9\100,000\30,000\1,170,000
医学部5年1\100,000\30,000¥130,000
合計145¥13,880,000

経験したことがない社会不安が続く中、それでも、子どもたちや若者たちのことを思い、行動してくださる方々がおられることが本当にありがたく、お礼の言葉が見つからないほどです。あたたかいご声援は、学生たちの心の支えにもなっており、感謝のメッセージが届いております。

コロナ以前から不安定な生活を強いられてきた若者たち

家族と離れ、児童養護施設で暮らした子どもたちは、高校卒業と同時に施設を出ても、実家からの支援は期待できません。確かな後ろ盾がないまま、たった一人で社会に巣立ち、必死に働きながらも、コロナ以前から薄氷を踏むような思いで生きています。厚生労働省が2021年4月に公表された「児童養護施設や里親家庭で育った若者対象のアンケート調査」によると、今の暮らしの困りごとについて「生活費や学費」の工面が34%と最も高く、23%の若者が月々の収支は「赤字」であると回答しています。回答率は2割と低く、アンケートに協力できる余裕がない若者が多かったと考えると、困窮度合はもっと深刻であると推察されます。

制度の狭間で困難を抱える学生たちに「追加支援金」を

コロナ対策のための「外出自粛」や飲食店を中心とした「営業規制」などにより、アルバイトが予定通りにできなくなったことで、タイガーマスク基金が支援を届ける学生たちの困難は続いています。給付型奨学金に加え、休業支援金や貸付制度など、公的な支援制度もありますが、手続きが煩雑であったり、未成年者は親の同意を必要とする場合もあるなど、家族に頼れない若者たちの実情に合っているとは限りません。

タイガーマスク基金では、こうした実情を深刻に受け止め、規定の奨学金に加えて、昨年同様、一人当たり3万円の「追加支援金」をタイガー奨学生145名全員に給付いたしました。これにより、少しでも生活不安が解消されることを願っています。

最後になりましたが、助成金で応援してくださっている団体の皆さま、進学サポーターの皆さま、チャリティギフトを購入してくださった皆さま、タイガー自販機オーナーの皆さま、ご支援をお寄せくださった全ての皆さまに心から感謝を申し上げます。「学びたい」という子どもたちが、過剰な努力を強いられることなく、安心して学び、暮らしていける社会創りを実現させるために、今後も努力して参りますので、ご一緒に子どもたちを見守ってくださいますよう重ねてお願い申し上げます。

助成金で応援してくださった団体の皆さま(順不同)

チャリティギフト販売でご協力いただいた皆さま(順不同)

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