「社会的養護」とは、保護者のない児童、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童などに対し公的な責任として社会的に養護を行うことで、対象児童は約4万5千人。児童養護施設や自立援助ホーム、乳児院だけでも施設数は全国で800か所を超えます。(平成24年度現在)
6年前から子育て支援のNPO活動をする中で、私はこの現実を知り看過できなくて、タイガーマスク基金プロジェクトを2011年に立ち上げ、施設を退所する若者の自立支援、また個々に支援活動をする団体等をサポートしてきました。そして2012年12月にタイガーマスク基金はNPO法人として独立し、再スタートする運びとなりました。
子どもは親を選べません。でも血は繋がってなくても信頼できる大人が身近にいて支えていけば、彼らもいつか自分の人生に希望を持ってくれると私は思います。「可哀想だから」支援をするのではなく「人生の可能性と楽しさを伝える」ことを基本理念とし、「子どもたちから信頼される大人」たる支援者を増やし、多様な子どもたちの自立をサポートする活動を継続していきます。
また一方、社会的養護の問題において「川の上流で起きていること」、すなわち児童養護施設で暮らす子どもの半分以上が被虐待児という現実に対して、ここのところ増加傾向にある「子どもへの虐待」や家庭が崩壊する原因である「DV(ドメスティックバイオレンス)」についてもタイガーマスク基金は注目し、その根絶を目的に活動を開始します。これ以上、児童相談所が忙しくならないように、つまり子育てが困難な状況になる家庭を減らすこと。虐待状況や不適切な育児環境に子どもが陥らないよう、出産前後や育児中の親へのサポートを関連団体等と連携しながら推進していく予定です。
「自分の子どもだけが幸せな社会などない」。
3人の子どもを育てる親としてまたひとりの市民として、私はそう考えます。このポリシーに共感いただける方は、ぜひタイガーマスク基金の各プロジェクトにコミットいただき、声をあげられないでいる子どもたちを救い、社会の貴重な人財でもある若者たちの自立と希望ある未来を一緒に応援していきませんか。
特定非営利活動法人タイガーマスク基金 前・代表理事 安藤哲也
前・代表プロフィール
安藤 哲也(あんどう てつや)
1962年、東京・池袋生まれ。3児の父親。
1985年 | 明治大学卒業後、出版社の有紀書房に入社。書店営業で全国の書店を歩く。 |
1986年 | リットーミュージック入社。音楽雑誌・楽譜等の販売に従事。 |
1988年 | UPU入社。雑誌「エスクァイア日本版」「i-D JAPAN」の販売・宣伝担当。 |
1994年 | 書店員に鞍替え。大塚・田村書店の3代目店長に。 |
1996年 | 東京・千駄木の往来堂書店をプロデュース。初代店長を務める。 |
2000年 | オンライン書店bk1へ移籍。02年まで店長。 その後、糸井重里事務所を経て、03年、NTTドコモの電子書籍事業へ参画。 |
2004年 | 楽天ブックスの店長に就任。 その後、クロスメディア事業に従事(07年10月退社)。(株)絵本ナビ顧問も務める。 |
2006年 | 11月、会社員として仕事をする傍ら、父親の子育て支援・自立支援事業を展開する NPO法人ファザーリング・ジャパンを立ち上げる。 |
2012年 | 12月には、NPO法人タイガーマスク基金を立ち上げ代表理事に。 社会的養護の拡充と児童虐待の根絶をめざし活動中。 |