事業報告

■平成25年度給付事業の報告

NPO法人タイガーマスク基金は、平成25年度に全国の皆様からご寄付いただいた金額のうち576万円(一人当たり12万円)を、平成26年4月に児童養護施設や自立援助ホームから四年制大学に進学した学生48名に、返済不要の支援金として支給いたしました。

 

児童養護施設の子どもたちの多くは高校を卒業すると同時に施設を退所しなくてはなりません。身近に頼れる大人がいない子どもたちは、学力があっても経済的な理由で進学が難しく、その割合は12.3%と全体の53.2%に比べて著しく低くなっています。(平成26年3月度発表:厚生労働省発表「社会的養護の現状より」) 日本では欧米に比べ、給付型の奨学金制度が少ない上に、保証人を必要とする場合も多いため、児童福祉施設の子どもたちが利用できる進学支援制度が整えられていないのが現状です。

 

タイガーマスク基金は、平成24年度から毎年、児童福祉施設を退所して四年制大学に進学した52名の学生に返済不要の支援金(一人につき10万円)を支給してきましたが、今年度からは支援額を4年間で30万円に増額します。その仕組みを支えるのが「タイガー進学サポーター」制度。個人で月々5千円、あるいは5人のグループをつくり毎月一人千円ずつを出しあい、一人の子どもの入学から卒業までを応援します。継続した支援は難しいという方でも、アルバイトと学業に頑張る学生を応援したいと単発寄付をお寄せいただくことも多く、そうした金額を集めて、初年度はサポーターからの支援金6万円にプラスして、タイガーマスク基金から6万円(計12万円)を支給しました。

 

学生からは、「親も病気で亡くなっており、頼るあてもなく大学は無理だと周囲にも言われていたので、タイガーマスク基金のような返済不要の支援金は大変助かります。私の進学は、同じような困難な境遇の施設の後輩たちにも勉強の励みになっているようです。将来は、支援を必要としている子どもたちのために、今度は私がタイガーマスクになりたいです」という手紙が届いています。

 

安定した雇用や社会的自立に結びつく大学などのより高い最終学歴を獲得することは、親に頼れず、自力で生きていかなければならない子どもたちにこそ必要とされていることです。しかし、こうした現状はあまり知られておらず、公的な進学支援制度が整うには時間がかかります。タイガーマスク基金だけの支援では全ての学費をまかなうことはできませんが、今、支援を必要としている目の前の子どもたちへの一助となるために、タイガーマスク基金は、引き続き来年度の進学者のために「進学サポーター」を募集していきます。ご協力いただける方は、ぜひ、タイガーマスク基金・事務局までご連絡ください。

 

進学サポーター制度の詳細はコチラ

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